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古田 裕繁*; 佐藤 薫; 西出 朱美*; 工藤 伸一*; 三枝 新*
Health Physics, 121(5), p.471 - 483, 2021/11
被引用回数:1 パーセンタイル:15.7(Environmental Sciences)従来、国内の放射線業務従事者の低線量放射線被ばくによる発がん等の健康影響は、個人線量計の指示値(個人線量当量: Hp(10))と疾病情報を用いた疫学的解析によって推定されていた(J-EPISODE: the Japanese Epidemiological Study on Low-Dose Radiation Effects)。一方、放射線被ばくによる発がんは臓器線量に依存するため、放射線防護の目的で使用されるHp(10)を用いて発がん率等を推定することは適切でなかった。そこで本研究では、放射線業務従事者のHp(10)から臓器線量を推定する手法を新たに構築した。構築した推定手法では、着用個人線量計の応答特性、被ばくジオメトリ・エネルギー、体格等のパラメーターを考慮することで、国内の放射線業務従事者を対象とした疫学的解析を可能にした。今後、構築した臓器線量推定方法を用いて、放射線影響協会の放射線従事者中央登録センターにより管理・保存されている被ばく線量データを解析することにより、国内の放射線業務従事者における低線量放射線被ばくによる健康影響の推定に利用する予定である。
飯島 和毅; 林 誠二*; 玉置 雅紀*
Global Environmental Research (Internet), 24(2), p.85 - 93, 2021/06
福島第一原子力発電所事故による環境の放射性物質による汚染は、事故から約10年が経過する間に明らかに減少している。しかし、除染されていない森林に起因すると思われる自然生態系の汚染の長期化が多くの研究で指摘されており、生物学的に利用可能な放射性セシウムの環境動態とその生態系への移行については、より詳細な調査が必要と考えられた。また、生物への放射線の影響については、特に福島の避難地域では、放射線による直接的な影響よりも野生生物への避難の影響が顕著であった。
田中 草太; 木野内 忠稔*; 藤井 告*; 今中 哲二*; 高橋 知之*; 福谷 哲*; 牧 大介*; 納冨 昭弘*; 高橋 千太郎*
Scientific Reports (Internet), 10, p.16055_1 - 16055_7, 2020/09
被引用回数:7 パーセンタイル:53.13(Multidisciplinary Sciences)福島第一原子力発電所事故以降、鱗翅目昆虫における形態異常が報告されてきた。しかしながら、この形態異常が放射線によって直接引き起こされたかどうかについては、吸収線量と線量効果関係の研究がなされていないため、明らかではない。本研究では、CsCl溶液を添加した人工飼料を用いてカイコに対する内部被ばく実験を実施し、形態異常を評価するために吸収線量を推定した。サナギの翅の長さと全長の比を被ばく群とコントロール群で比較した結果、有意差は認められなかった。この結果は、福島第一原子力発電所事故後のCs汚染による直接的な放射線影響により、鱗翅目昆虫に形態異常が生じる可能性が低いこと示唆している。
山本 正弘; 佐藤 智徳; 小松 篤史; 中野 純一; 上野 文義
Proceedings of European Corrosion Congress 2015 (EUROCORR 2015) (USB Flash Drive), 7 Pages, 2015/09
福島第一原子力発電所では、廃炉に向かう取り組みが進められているが、これは30年もかかる事業である。原子炉の健全性をこの期間中保つためには、一部で使用されている炭素鋼の腐食劣化が大きな課題である。核燃料デブリなどの放射線の影響下での腐食を明らかにするためにCoを用いた線照射下での腐食試験を実施した。試験より、放射線の線量率の上昇に伴い炭素鋼の腐食量が増加し、同様に酸化剤の生成量も増加することが分かった。この結果をもとに、放射線下での炭素鋼の腐食速度予測手法を提案した。
高原 省五; 日高 昭秀; 荻野 隆*
JAEA-Data/Code 2015-001, 65 Pages, 2015/03
放射線に起因する晩発性健康影響を推定する計算コードHEINPUT-GUIは、確率論的事故影響評価コードOSCAARの前処理コードの一つであり、放射線被ばくに起因するがん罹患リスクと死亡リスク、並びに遺伝的影響を推定するための計算コードである。これまでにHEINPUT-GUIには、米国原子力規制委員会の提案したモデルと米国環境保護庁が1994年に提案したモデルが組み込まれており、これら2つのモデルを用いてリスクを推定できるように整備されている。本報告書ではこれらのモデルに加えて米国環境保護庁が2011年に提案した新しいリスク推定モデルを利用できるように改良した。また、ユーザーの負担を軽減するために、人口動態統計等の公開データを用いて3つのモデルに対する入力データを一括して作成するためのプログラムを開発した。
鈴木 芳代; 服部 佑哉; 坂下 哲哉; 舟山 知夫; 横田 裕一郎; 池田 裕子; 小林 泰彦
JAEA-Review 2014-050, JAEA Takasaki Annual Report 2013, P. 88, 2015/03
The nematode is a good model system to examine radiation effects on vital functions such as locomotion, feeding, learning and memory. Using , we recently investigated the radiation effects on locomotion (snake-like crawling motion) and found that whole-body irradiation significantly reduced locomotion. Furthermore, we focused on the pharyngeal pumping motion (chewing and swallowing), which is a rapid periodic motion, and found that the proportion of pumping-motion arrest increased after whole-body irradiation. As the next step, we started to examine whether or not the effects observed after whole-body irradiation could be induced by microbeam irradiation to a very limited region. In this report, we summarize the results of microbeam irradiation experiments we carried out in the past few years. Main findings in this study are the following: (1) Effects of the region-specific microbeam irradiation differ depending on types of motion, and (2) effects of whole-body irradiation tend to be more effective than those of the region-specific microbeam irradiation at the same irradiation dose. Further studies on the mechanisms underlying the radiation-induced changes of movements are required.
三枝 新*
保健物理, 34(3), p.298 - 299, 1999/09
4年に1度開催される国際放射線研究連合(ICRR)の第11回大会に参加し、低線量放射線影響や放射線健康リスクにかかわる最近の研究動向について調査・報告する。今大会で注目を浴びたのは粒子のマイクロビームを用いた放射線細胞がん化実験で、従来からの疫学研究に基づいたラドン健康リスク評価上の問題解決の助けとなるデータを、細胞生物学の側から提供した点が重要である。同様に放射線が直接ヒットした細胞からのシグナルが、その周囲の非ヒット細胞に伝わり、非ヒット細胞にも照射の影響が現れるBystander効果についてもマイクロビームを用いた研究が発表された。これらの実験研究は、従来の放射線影響研究の基礎となっている標的理論を実験的に検証しうるものであり、放射線リスク研究にとって無視できるものではない。そのほか、本大会で報告された他の研究についても報告を行う。
not registered
PNC TJ1533 97-002, 133 Pages, 1997/03
本調査研究の目的は、個々の施設の安全性にのみ着目した環境影響評価ではなく、核燃料サイクル全体を通しての地球規模での環境影響評価を行うための手法等の検討を行い、他のエネルギー源に係る環境影響との相対的評価手法の基礎を確立することである。このため本年度は上記目的達成のための第一段階として以下の調査を行った。(1)各種エネルギー源に係るリスクプロセス、リスクソース等の調査研究各種発電エネルギーに伴うリスク、既存の核燃料サイクルに関するリスク-ベネフィット研究、事故影響評価の手順について調査を行った。(2)リスク評価手法に関する調査研究大気拡散のモデル化と濃度評価事例、放射性核種の大気中での移行について調査を行った。(3)一般公衆のリスク認知に係る社会科学的評価手法に関する調査研究リスク認識、リスク受容に関する討論を行った。(4)各種エネルギー源へのライフサイクルアセスメント手法適用に関する調査研究ライフサイクルアセスメント評価事例について調査を行った。
長岡 鋭; 外川 織彦; 森内 茂; S.I.Rybalko*; Sukhoruchkin, A. K.*; S.V.Kazakov*
JAERI-Conf 94-005, 99 Pages, 1994/11
環境安全研究部では、1992年6月に原研-チェルノブイル国際研究センター(CHECIR)間研究協力協定を締結して以後、「環境放射線影響に関する評価・解析及び評価システムの検証に関する研究」を進めている。双方の意見交換と意思疎通を図り本研究を円滑・効率的に進めるため、1年に2回の運営会議を開催している。1994年2月には初めて日本で運営会議を開催し、CHECIRから3人の研究責任者を招き、講演会を行った。又、運営会議席上で平成5年度の研究の進捗状況が原研側から報告された。本報告書はこれらをまとめたものである。
水下 誠一; 内山 正史*; 二之宮 和重*
Assessment of the Health and Environmental Impact from Radiation Doses due to Released Radionuclides, 0, p.141 - 161, 1994/00
本発表は、原研及び放医研、動燃の日本の研究所とウクライナの放射線医学センターとの間で1989年より実施されてきた「低線量放射線影響評価」の研究協力のうち、内部被ばく測定評価に係る共同研究、特に全身カウンタの校正についてこれまでの内容をまとめて発表する。発表ではこの研究協力に関係して日本側が準備した人体計測学的ファントムについて解説し、さらにこのファントムを用いて行った日本での実験の内容と得られた結果について報告すると共に、ウクライナとベラルーシで住民の体内汚染測定に実際に使用されている全身カウンタについての比較校正実験の内容と得られた結果について報告する。
松鶴 秀夫
エネルギーレビュー, 11(9), p.13 - 17, 1991/09
IAEAはソ連政府の要請に応えて、チェルノブイル国際プロジェクトを組織し、チェルノブイル事故の放射線影響を調査した。本報は、同プロジェクト報告書の概要と、成果報告会での議論の概要をとりまとめたものである。著者らは、同報告書のうち、4章公衆の放射線被曝、および6章防護措置を担当した。
松鶴 秀夫
日本原子力学会誌, 33(8), p.784 - 785, 1991/08
標記会合は、チェルノブイル国際プロジェクト(IAEA)を運営した国際諮問委員会が作成した報告書を科学的に検討するために開かれたもので、(1)事故経緯、(2)環境汚染、(3)線量評価、(4)健康影響及び(5)防護対策の各タスクの成果が紹介された。本稿は、会議の概要をとりまとめたものである。
松原 純子*
PNC TJ1602 91-001, 49 Pages, 1991/03
地球の将来のエネルギー供給の見通しを考えると、原子力開発は人類にとって今後ますますその役割を増す。 しかしながらその開発は地球環境の保存と人間の健康福祉の原則に両立する「持続可能な開発 sustainable development」の原則に則ったものでなければならない。 そのためには、原子力の安全確保の問題が従来にも増してその重要性を増し、放射線関連のリスク評価の問題への真摯な取り組みによって、公衆の理解と原子力開発への認容を得てはじめて、より前向きな意志決定がなされることになろう。従って本年度は、放射線リスク評価の中で特に話題となったセラフィールド関連の疫学的問題を、なるべく多角的な視野から検討し、いくつかの文献との比較を試みた。次に、今年度は首都圏と北海道の2つのフィールドにおいて、わが国での公衆のリスク認識に関する実態調査を実施したので、その概要についても報告する。
外川 織彦; 本間 俊充; 松鶴 秀夫; 小林 定喜*
JAERI-M 91-005, 179 Pages, 1991/02
原子炉事故時における放射線被曝による健康影響の発生数を予測するモデルの第1次版を作成した。本モデルは米国ハーバード大学で開発された健康影響モデルを基礎としている。これらのモデルは、広島・長崎の改訂線量によるリスク算定結果から得られた新しい情報に基づいて修正された。本モデルの特徴は以下の通りである。(1)ワイブル関数を使用した、骨髄、肺、胃腸管、中枢神経系、甲状腺、皮膚及び生殖腺に関する早期影響モデル、(2)広島・長崎の原爆被曝生存者の疫学調査から得られた情報に基づいた、白血病、乳癌、肺癌、甲状腺癌、胃腸管癌等に関する晩発性影響モデル、(3)胎児期被曝による晩発性影響及び発達異常のモデル
石神 努; 堀上 邦彦; 小林 健介
日本原子力学会誌, 32(4), p.328 - 337, 1990/04
原子力発電所において万一の事故が発生し周辺住民に影響が及ぶか、または、及ぶおそれがある場合(緊急時)には、適切な防災対策を講ずることにより公衆への影響を最小限に抑えることが肝要である。そのためには、事故の状況、環境への放射性物質放出、環境放射線被曝影響、防護対策実施に伴う影響等、の推定と予測をなるべく正確かつ迅速に行うとともに、それらの総合的評価が有用となる。近年、計算機利用技術の飛躍的な発展を反映して、各国で緊急時の防災対策を支援するための計算機利用システムの開発と整備が進められている。本稿では、各国で研究開発、あるいは、実用化されている計算機利用システムを概観するとともに、今後の研究課題を摘出し、解説する。
神長 輝一; 嘉成 由紀子; 坂本 由佳; 成田 あゆみ; 宇佐美 徳子*; 小林 克己*; 野口 実穂; 横谷 明徳
no journal, ,
X線マイクロビームを特定の細胞に狙い撃ちした際に、照射細胞及びその周囲の非照射細胞に生じる細胞分裂の様子の変化を、ライブセルイメージングにより追跡した。X線マイクロビームの照射は、高エネルギー加速器研究機構・フォトンファクトリーのBL27Bの顕微照射システムを利用した。従来の顕微照射システムでは、長時間に渡る細胞の継時観察は困難である。そこで照射顕微ステージとは別に、培養器を備えた観察用顕微システムを導入し、照射細胞の位置座標をこの二つの顕微システム間で校正するため特殊なパターンが印字されたポリエチレンフィルムを製作するなど、タイムラプス細胞観察が行える新たな実験システムを工夫した。細胞周期の遅延や分裂後の娘細胞同士の融合が、照射細胞の周囲の非照射細胞(バイスタンダー細胞)にも伝搬するか否かに着目し、20分間隔で48時間にわたり連続して取得した画像データの解析を行った。その結果、マイクロコロニー中の細胞を一つだけ選んで照射しても、周囲の細胞同士の融合現象は観察されなかった。しかし、アポトーシス等の細胞死は、照射細胞だけではなくある頻度でバイスタンダー細胞にも起る可能性が示された。
山本 正弘
no journal, ,
原子力基礎工学研究センターでは、福島第一原子力発電所における腐食に関わる課題について、特に放射線照射環境での腐食劣化現象を中心に検討してきた。本稿では、これまでに進めてきた研究結果、特に高崎量子応用研究所で試験を実施してきた研究内容を中心に概説し、今後の研究ニーズについて述べる。
鈴木 芳代; 服部 佑哉; 小林 泰彦
no journal, ,
本研究では、線虫の成虫がなぜ放射線に強いのか?を探るための第一歩として、線虫の放射線応答の基礎データを得ることを目的に、2種類の運動(這行運動及び餌の咀嚼・嚥下運動)に着目して照射影響を調べた。線虫の成虫の全身に放射線(コバルト60-線または炭素線、0-1.5kGy)を照射すると、這行運動と咀嚼・嚥下運動はいずれも線量依存的に抑制された。この応答は、線照射と炭素線照射の両者で同様であった。さらに、いずれの運動も照射後数時間で回復したことから、これらの照射による運動抑制は放射線に起因した組織の壊死などによる機能不全ではなく、シグナル伝達の一時的な攪乱などによるものであると考えられた。発表では、線虫の放射線応答について紹介すると共に、寿命を指標として放射線の影響が生じる線量の閾値を探るわれわれの最近の試みについても触れる。
神崎 訓枝; 迫田 晃弘; 片岡 隆浩*; 山岡 聖典*
no journal, ,
低線量放射線の曖昧な生体影響評価は、基本的な統計手法や機械学習を用いても容易ではない。本研究では、このような影響の評価手法の確立を目的とし、機械学習の一種である自己組織化マップの改良を行った。具体的には、(1)似通ったトポロジーを持つクラス毎に、自己組織化マップによって、入力データを学習させた参照ベクトルを作成する。(2)得られた参照ベクトルすべてを自己組織化マップによって再解析する。この手順で、ベンチマークと低線量放射線に関するデータセットを解析したところ、複雑なトポロジーやデータ分布にも対応できることがわかった。
神崎 訓枝; 迫田 晃弘; 片岡 隆浩*; 石田 毅; 田中 裕史; 山岡 聖典*
no journal, ,
本研究の目的は、品質工学として知られるタグチメソッドを用いた被ばくによる健康損失を評価するための新規放射線リスク評価法の提案である。本研究では、放射線リスクを健康損失と定義し、放射線の有害効果と有益効果の両方を定式化するためにタグチの損失関数を用いてリポ多糖(LPS)誘導炎症モデルマウスの放射線影響を評価した。LPSを25ug投与した場合の死亡率は0%、LPSを100ug投与した場合の死亡率は46%であった。このとき、LPSを投与されたマウスのCRPは有意に増加していた。次に、マウスをX線(0.1, 0.5, 3.0Gy)照射で被ばくさせた4時間後のCRPを分析したが、これらの被ばくのみではCRPは変化しなかった。LPS(100ug)投与とX線(0.1Gy)照射の両方を処置されたマウスのCRPは、LPS(100ug)投与マウスのCRPよりも減少していた。しかし、それ以外の条件では、LPS投与とX線照射の両方を処置されたマウスのCRPは、LPS投与マウスのCRPよりも増加していた。これらの結果をまとめ、マウスへの処置の条件を制御因子とし望小特性SN比を求めると、0.1Gy照射された群でSN比が最大になり、低線量放射線はLPS誘導炎症を抑制することが示唆された。